昨年暮れのEMA(欧州医薬品庁)の認可以降ワクチンの接種が始まった欧州ですが、前回のお知らせ時点(2月21日時点)では、ワクチン供給の遅れが目立っていることをお伝えしました。
今回もこれまでの状況を中心にドイツ連邦保健省の統計を見ていきたいと思います。
前回(2月21日)からのUpdate
前回思いのほかデリバリーの状況が芳しくなく、予定に比べると全く進んでいない状態であることをお伝えしましたが、その後状況は改善し、現時点では1日当たり約250.000件ほどの接種が行われています。
これまでにファイザー・ビオンテック製、アストラ・ゼネカ製、モデルナ製の3種の接種が行われていましたが、ここにきてアストラ・ゼネカ製に関して接種の一時凍結問題が生じ、今後の接種スピードに同様な影響を与えるか心配なところです。
ドイツでは4つのグループに分類し、現在も第一グループ(医療従事者、80歳以上の高年齢者、養護施設入居者、基礎疾患がある人)を中心に接種が行われております。
現時点での接種状況
ドイツ連邦保健省による発表では、これまでに12,495,345本のワクチンがデリバリーされたようです(2021年3月12日時点)。
これまで77日間で6,113,484人(ドイツ居住者の7.4%)の人々が1度目の接種を終えているとのことです。
また、その内2,749,786人(ドイツ居住者の3.3%)がすでに2度目の接種も終了しています。
統計上ではほぼ0.4秒に一回接種が行われているようです。2021年3月12日には、1日に256,128回のワクチン接種が行われました(1度目190,387回、2度目65,741回)。
ワクチンのデリバリー状況
同様に3月12日現在ですが、これまでに12,495,345本のワクチンがドイツにデリバリーされました。メーカーごとのデリバリー数は下記のようになっています。
ファイザー・ビオンテック製 | 8,753,745本 |
アストラゼネカ製 | 3,062,400本 |
モデルナ製 | 679,200本 |
合計 | 12,495,345本 |
今現在もファイザー・ビオンテック製が7-8割近くを占めており、また上記のグラフの青い部分は実際に使用された本数を示しています。
この表を見ているとデリバリーされたワクチンの6-7割しか使用されていないように見えますが、引き続き国内でのデリバリー中などもあるので仕方ないのでしょうね。
グループごとの接種状況
現在も第一グループである80歳以上の高齢者、医療関係従事者、介護施設入居者、基礎疾患を抱える人への接種が続いています。
また3月4日からは第二グループ(70歳以上の高齢者、特定の病人、特定の施設勤務者、警察関係、幼稚園・保育園勤務者など)への接種も始まりました。
第三グループおよびその他に関する接種開始時期は公表されていません。
まとめ
今回もシンプルにドイツ連邦保健省のデータをお知らせしました。
以前に比べワクチン供給が数字上でも明らかに増えています。近所に開設されたワクチン接種センターも昨年末の設置以降、人影がなかったのですが、ここ1-2週間は駐車場の混雑ぶりがうかがえるほどです。
やっと本格的にワクチン接種が軌道に乗り始めた感触が得られています。
ただし、気候が春に向かうにつれ、外出をする人が増えたことで少しづつ改善されていた日々の感染者数が頭打ちになりました。
また、国内の反発などもあり連邦政府および州政府はロックダウンを段階的に解除することを認め、すでに部分的な解除が始まっています。
本来目指していた10万人当たりの1週間の感染者数を35人に抑えることができておらず、最近ではやや上昇し70人程度に戻ってしまいました。
もうすぐイースター休暇を迎えますが、今年もどこにも出かけられそうにありません。