もう何度目かもわからないほど幾度もロックダウンの延長を余儀なくされてきたドイツですが、再び4月18日までの延長が2021年3月22日の夜、メルケル首相と連邦政府および州政府の代表によるビデオ会議において決定され発表されました。
これで部分的なロックダウン状態も含め昨年11月から5か月となりました。
これまでの経緯
これまでにも幾度となくロックダウン延長のお知らせを書いてきましたが、2月中旬の10年来の寒波が猛威を振るっていたころまでは、その効果が表れて7日間での10万人当たりの感染者数を本当に50人以下に持っていけそうなところまで来ていました。
ところが寒波が過ぎ去り気温も上昇し晴天が続くとあっという間に感染者が増え始めました。
その理由はロックダウン疲れで気が緩んだこと、晴天に恵まれ外に出る機会が増えたこと、そしてイギリス型の変異種が次第に広まりだしたことかと思います。
特に3月に入ってからは確実に感染者数が増えだしています。
現在のドイツでの感染状況
ロバート・コッホ研究所による3月23日時点での発表によると、新規感染者数は7千人強と月曜日なのでやや控えめですが過去7日間の感染者数はほぼ9万と依然として増加傾向にあるようです。
国が目指す7日間の感染者数を10万人当たり50人以下に抑えるという目標にはほど遠く(現在:108人)、やっと3月から部分的なロックダウン解除が始まったのもつかの間、再び強化策を打ち出すこととなりました。
これにはイギリス型変異種の拡大防止が大きく影響しています。
ロックダウン延長について
ドイツでは現在の再拡大を”第3波”としており、非常に深刻な状況であるととらえています。
1.今回の決定ではこれまでに行われてきた州ごとによる部分的解除も含め、新たに決められたことに関しては3月29日以降ルールを上書きし、4月18日まで継続することで合意したようです。
2.また過去7日間での10万人当たりの感染者数が3日連続で100人を超える地域では3月7日までに行われていた厳しい規制”緊急ブレーキ”が再導入されます。それにより厳しい接触制限や小売店や公共施設の再閉鎖が再開されます。この処置からの脱出には上記条件下で7日連続で100人を下回る安定した数字が要求されます。
3.さらに上記地域では、追加規制が導入されます。
- 自家用車内での医療用/FFP2マスク着用義務:運転手の家族以外のものが同乗する場合
- ソーシャルディスタンスおよびマスク着用義務を継続することが難しいエリアにおける同日の簡易テストの導入
- 外出規制
- より厳しい接触制限
4.また、イースター(4月2日から5日)を重要期間ととらえる政府は、特別に4月1日(木)と4月3日(土)を特別休日に認定して5日間の連休としました(#WirBleibenZuHause = 皆で家にとどまるの意)。
【上記特別休日は本日3月24日撤回されました。政府の決定がたった2日で覆されるというのはドイツではとても珍しいことです。この撤回により通常通り4月2日から5日までがイースターとなります(3日の土曜日は通常通り)】
この期間中は自世帯+1世帯(ただし合計5名、14歳以下の子供はカウントせず)までの集まりはOK、カップルは1世帯と見なされます。公共の場での集まりは禁止となります。屋外レストランは閉鎖となります。食品小売業のみ4月3日(土)の営業が認められます。ワクチン接種センターは継続的にオープンしています。
5.個人的な目的での旅行は引き続き制限されます(国内では引き続き観光目的での宿泊は認められません)。
6. 企業に対しては引き続き自宅勤務を推奨するよう要請が出ています。やむを得ず会社に出勤する場合は、会社側は従業員に対し定期的に簡易テストを提供する必要が生じます。
他の規制もありますので、詳しくは下記リンクをご参照ください。
ワクチンの接種情報
ワクチン接種に関しては最近の記事を書いているのでこちらをご覧ください。
もう少しで一回目の接種を受けた人の比率が全体の10%に達します。
まとめ
春の訪れとともに気も緩むのか、またイギリス型変異種の急激な感染拡大か日々悪いほうへ進んでいます。
ワクチンの接種も全体の10%近くまで接種者が増えてきてはいますが、国として効果が表れるのはまだまだ先の話。
この状況下、規制の緩いスペイン・マヨルカ島は観光客を受け入れるらしく、ドイツからは相当数の旅行者がマヨルカ島へイースター休暇に向かうようです。
また今回の政策に対し一部野党からは批判も出ているようです。
やや唖然としますが、これが現状です。