さて、今回ご紹介する切手は、ベートーヴェン生誕250周年記念切手です。
ト音記号に重なるようにベートーヴェンの肖像画、その下に直筆サイン「Bthvn」がアレンジされた図柄になっています。
中学の音楽の教科書にも載っているベートーヴェン。音楽史上、最も優れた作曲家の一人に数えられるドイツの作曲家で、聴力を失ってなお、素晴らしい作品を生み出し続けたことでも有名ですよね。
その名前はもちろん、通称『運命』、『第9』などの交響曲、『月光』、『熱情』や『エリーゼのために』などのピアノ曲は、クラシック音楽に興味がなくても、曲を聴いたら「あ、これ知ってる」という人はたくさんいると思います。
日本では『第九』の演奏が年末の風物詩のようになっていますし、第4楽章の合唱『歓喜の歌』を師走に耳にする機会は多いのではないでしょうか。
EU(欧州連合)はこの「歓喜の歌」をもとにした曲を『欧州の歌』として採択しており、ヨーロッパ・デーや公式行事の際に演奏されています。
また『第9』のベートーヴェンの自筆楽譜は、ユネスコの世界記憶遺産に登録されています。
ベートーヴェンは1770年にドイツ(当時は神聖ローマ帝国 ケルン選帝侯領)のボンに生まれました。作曲家として知られていますが、ピアニストでもありました。12月17日にボンの聖レミギウス教会で洗礼を受けたらしく、誕生日は12月16日とされています。
Van Beethovenという名前からもわかるように、父方の祖先はネーデルランド(フランドル)にルーツを持ち、ドイツ(まあ、当時はドイツという国はなかったわけですが)に来たのは祖父の代だったそうです。若くしてケルン選帝侯宮廷のバス歌手としてボンに招聘され、その後、宮廷楽団の楽長になった祖父。父親も宮廷のテノール歌手であり、また音楽教師としてある程度の知名度があったようです。その父が幼少期のベートーベンに音楽の才能を見出し、第二のモーツァルトを目指して音楽のスパルタ教育を施したことはよく知られているかと思います。
父だけではなく、父の同僚の音楽家達も少年ルードヴィッヒの才能を認め、音楽教育の一旦を担ったということです。そして7歳でピアニストデビューし、音楽家としてのキャリアをスタートしました。
1792年にはオーストリア(1804年までは神聖ローマ帝国、1804年からはオーストリア帝国)のウイーンに移り住みました。作曲もボン時代から始めていましたが、ウイーンでは最初、ピアノの即興演奏の名手ということで名声を博したそうです。
その後、聴覚障害の進行とともに、作曲家としての活動の比重を高めていき、最終的には専業作曲家となりました。
政治状況の変化でボンに帰ることができなくなったこともあり、ウイーンを終の棲家とし1827年に生涯を終えました。22歳でボンを後にし、そのまま戻ることはなかったベートーヴェンですが、ボンといえばベートーヴェン。彼の生家は今もボンに残っていて、ベートーヴェン博物館になっています。
ちなみに、彼が洗礼を受けた聖レミギウス教会は1800年に火事で焼失しており、現在ある聖レミギウス教会は建物も場所も当時のものとは異なるそうです。
それぞれ10枚が1シートになったのり式、シール式に加え、シール式100枚がボックスに入ったもの、ちょっと特別感のある収集向けののり式1枚シートものの4種類があります。
我が家は今回、のり式10枚がセットとなったシートを購入しました(8ユーロ)。
彼の誕生日は12月ですが、2020年1月から販売されており現在も購入可能です。
ご興味ある方は下記のサイトをご覧ください(ドイツポストの切手販売ページです)。リンク切れの場合は終売となっている可能性があります。
250. Geburtstag Ludwig van Beethoven, Briefmarke zu 0,80 €, 10er-Bogen | Shop Deutsche Post
次回も少しづつ最近のドイツっぽい切手を紹介していきますね。