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ヨーロッパ・ドイツでの日常生活からぽつりぽつり書きたいことを書いていきます。

【レストラン紹介】フランス・アルザス地方・La Nouvelle Auberge

さて、今回ご紹介するレストランはフランス・アルザス地方にある毎年ミシュラン1星に輝き続けている家族経営のレストランLa Nouvelle Aubergeです。

ハーブや地の素材にこだわった料理でいつも気持ちもおなかもいっぱいにしてくれるアットホームな雰囲気のレストランです。

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レストランの場所

簡単に説明すればフランス・アルザス地方の観光で有名な町コルマール(Colmar)郊外なのですが、車で約15キロ、道路が空いていれば20-30分、チーズの名称として有名なマンステールへ向かう街道沿いにあります。

コルマールからローカル鉄道でも向かうことが可能です(1時間に2本くらいあるようです)。最寄り駅はWihr-au-Val-Soultzbach。

Restaurant La Nouvelle Auberge

今回の訪問について

こちらへお邪魔するのはコロナ禍の影響もあり約3年ぶりぐらいかと思います。

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過去数度の訪問ではディナーを予約していたため、いつも近くの町テュルクハイム(Turckheim)に宿を取っていました。

残念ながらこのレストランには宿泊施設がなく、また周りの村にもそれらしきものが見当たらず(Booking.comなどで調べても)、やむなく最も近い町に宿泊していました。

フランスで食事をする際は、どうしてもワインを飲むことになり、その後の運転などのことも考えて、できるだけレストランのそばに泊まるようにしています。

今回は久しぶりにランチに訪問してみることにしました(宿泊がストラスブールであったため)。これなら食後、酔いを醒ます時間も十分とれるので大丈夫ということにしました。

www.nauberge.com

さて、周りに何もない田舎の街道沿いで車を止めて、レストランの敷地に向かいます。一階はビストロになっており、優しいお値段でお食事が楽しめるようです。レストランへは、入り口の看板に従って建物の裏に向かう緩やかな坂道を進みます。

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この坂道を回り込むとちょうど建物の2階になるところに別の入り口があり、そこからレストランへ入っていきます。入り口でワクチン接種証明の提示を求められました。

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この季節、入り口わきの外のテーブルでアペリティフを楽しみながらメニューを選ぶこともできます。この時はすでに9月でやや涼しかったこともあり、我々はそのまま中の席に案内してもらいました。

こちらのレストランの住所及び連絡先は下記のとおりです。

 旅行情報 レストラン La Nouvelle Auberge
住所:9 N Route nationale, 68230 Wihr-au-Val, フランス
Tel:+33 389710770
営業時間:火休、日と月はランチタイムのみ、それ以外はランチ、ディナータイム
WEB:
https://www.nauberge.com/

選んだメニュー

ここでは毎回のように中心的なコースメニューであるMenu Gourmand(前菜2品+メイン2品+デザート)を頼んでいたのですが、一皿のボリュームがアラカルトよりも少ないとは言え、その尺度が日本とは異なっているため、食べきるのに苦労することもままありました。

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そのため、今回は前菜2品+メイン1品+デザートのコースを予定していたのですが、アペリティフにクレマン・ド・アルザスアルザスで作られるスパークリングワイン)を頼み、ちょっとしたつまみに感動しながらメニューを見ていたら、より惹かれるお料理があったのがMenu Gourmandのほうだったので、このコースを、メインは1品に減らしてもらうという形で注文しました(メイン一皿目の魚料理を外しました)。

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こんな希望も快くに受け入れてくれ、1品減らした分、コース料金もちょっと割引してくれました。

それでは、ここから今回のお料理の紹介となります!

まずはアヴァン・アミューズです。

ビーツのムース

ビーツのほんのりとした甘みにほのかな土臭さが良い感じでアクセントになった優しい味の一品でした。

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さらにもう一皿アヴァン・アミューズが続きます。

黒パンのメットヴルシュトのせ、仔鹿のハム、ナッツクラッカーのマンステールチーズクリームのせ

アルザスらしい3品。メットヴルシュトはペースト状のソーセージで黒パンによく合います。仔鹿のハムは臭みがなくほどよい燻製香で、噛むとじんわり旨味がしみでてきました。

マンステールクリームにはマイルドでクリーミーな中身のみが使われているようで、とてもミルキーでサクッと香ばしいナッツクリームとの相性がグッドでした。

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そしてアミューズ・ブーシュへ続きます。

ラタトゥイユと卵黄、グリーン野菜のピュレ

薄く切った茄子やズッキーニ、赤ピーマンなどをミルフィーユのように層にしたラタトゥイユは野菜の旨味がぎっしり。

程よい固さのゆで卵(?)の黄身とグリーン野菜のピュレの組み合わせは色彩的にも味的にも良い組み合わせでした。

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ここまでは、日本でいう突き出しで、メニューに記載がないので、何が出てくるのかは全くわからず、お楽しみです。

スターターその1

ブルターニュ産アンコウのカルパッチョ カリフラワーのピュレとジャガイモ、キャビアリ社のオシェトラキャビア添え

柔らかさの中にもプリッと感がある淡泊なあんこうにカリフラワー(とメニューにはありましたが、ブロッコリーっぽかったです)のピュレ(といっても完全になめらかなピュレではなく、小さな賽の目切りが入っていて歯ごたえがあり)、ポテトの極薄チップとキャビア(あまり魚の卵っぽさがなく、植物的なフレッシュさを感じました)がとても良いアクセントになっていました。

花を思わせる盛り付けにエディブルフラワーも加わって、華やかな一皿でした。日本ではあんこうって冬が旬だと思うのですが、フランスではそうでもないのかな?なんて思ったりもしましたが、美味しくいただきました。

そうそう、飲み物は、アペリティフの他、ミネラルウォーターを1本と、それぞれのお料理に合ったワインを選んで出してくれるお任せグラスワインセットを頼みました。

このお料理に合わせたワインはアルザスの辛口リースリングでした。

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スターターその2

フォアグラのソテー  フレッシュプルーンソースに季節野菜のピクルスみじん切り添え

表面はカリっ、中はトロリとしたフォアグラのソテー。

フォアグラの臭みや嫌な脂っぽさは全く感じられず、甘酸っぱいピクルスとフレッシュプルーンの極軽ソースでさらにさっぱりおいしくいただけました。

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フォアグラのソテー用のワインはアルザスピノノアールの辛口ロゼ

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そしてメインのお肉料理。

ブルボネー産ラムフィレのロースト クスクス、イチジク、カブ、ズッキーニとアンズ茸添えミント風味

柔らかく絶妙なロゼにローストされた子羊のフィレに大きめに切られたイチジクや野菜。

ラムのジュをベースにしたソースはさらっと軽めで、お肉も野菜も、素材そのものの美味しさが堪能できました。

ほのかなミント風味が爽やかさを添えてくれてました。

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ラムフィレ用のワインはスペインはカタルーニャの赤ワイン。ブドウは多分テンプラニーリョ。

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ここで小休止となりアヴァン・デセール

シアスカス

おぼろ豆腐ならぬおぼろチーズ。

フレッシュチーズの一種というかチーズになる前のチーズというか…。熟成前のまだ凝乳とホエーが完全に分かれてない圧搾前の所をすくったものだそうです。

ほんのり甘みがつけてあって、キルシュがかかっています。

シアスカスというのはマンステール渓谷のフェルム・オーベルジュ農家レストラン)で見られるデザートです。

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このコースは基本フィックスタイプなのですが、デザートのみはプリフィクスでした。

デザート1人目(ウシさん)

チョコレートクリーム、メレンゲ

ここは定番のチョコレートたっぷりのクリームとメレンゲによる2段重ねです。

甘さややや控えめでチョコレートのビターさが出ています。とはいえ結構ボリュームがあります💦

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デザート2人目(ブタさん)

暖かいラズベリーソースに薄焼きジンジャークッキー、バニラアイス

ラズベリーソースというか軽く煮たラズベリーです。

ラズベリーの香りと酸味がスパイシーなジンジャークッキーと冷た甘いバニラアイスととってもよく合って美味しかったです。

周りの赤とグリーンのぽつぽつはビーツとエストラゴンのペストらしいです。

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まだ終わりません。続いてミニャルティー

ヌガー、チョコレート、クルミのクッキー、赤スグリのシロップ

歯ごたえ舌ざわり味が異なるお菓子はそれぞれにおいしく、赤すぐりのシロップも甘さ控えめでさっぱりしていて美味でした。

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カフェ

最後はカフェで締めくくりです。

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「ああ、おいしかった。ご馳走様でした。」ということで約3時間ほどかけて終了となります。

13時からスタートしてお店を後にしたのは大体16時ごろでした。

感想

アヴァン・アミューズからミニャルティーズまで全て、目、舌ともに楽しませてもらえました。

自家製のパンも香ばしくてとても美味しかったです。

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お食事後はお腹も心も満たされて、幸せな気持ちでレストランを後にしました。

またこのレストランは先にも書いたように家族経営で、ご主人が料理長、奥さんがサービスのまとめ役(ドイツ語が話せる)、娘さんがサービス&ワイン、息子さんがサービス担当をしています。

こちらもそうですが、アルザスのレストランではドイツ語が通じることが多く、その点もフランス語が分からない我々にとっては大助かりです。

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今回はさらにサービススタッフの息子さんが習いたてのドイツ語で一生懸命説明してくれたのが印象的でした(時々こちらでドイツ語を直しながら)。

娘さんもそうでしたが、今の若い世代ではこの地域(ドイツと国境を接するアルザス)でもドイツ語を話せる人はほとんどいないように感じます。