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ヨーロッパ・ドイツでの日常生活からぽつりぽつり書きたいことを書いていきます。

【レストラン紹介】フランス・アルザス地方・Auberge Frankenbourg

さて今回ご紹介するレストランAuberge Frankenbourgは、アルザスにあるミシュラン1つ星を獲得しているお店です。

山の中、周りにもそれほど民家も無い集落にある老舗のホテル兼レストランです。

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そんなに昔からというわけではないけれど、コロナ前は年に1度はお邪魔していたお気に入りのレストランなのですが、コロナ禍のせいで今回は久々の訪問でした。

コロナ対策としては、入り口でのワクチン接種証明の提示、席まで及び席を立つ際のマスク装着が求められました(2021年8月末)。また、メニューが、以前のいわゆるメニューと聞いて思い浮かぶような厚めの表紙を持つ本型のものではなく、アクリル板にお品書きが挟まっているという形式になっていたのも、コロナ対策の一環なのかと思います。

レストランの場所

すでに記したようにとんでもない山の中にあります。まさに人里離れた集落にあり、初めて訪れた時は、”こんなとこまで誰が来るんだ!”と思ったものですが、空いているのを見たことが無いし、週末のランチやディナーはやや早めの予約が必要です(予約は無しはそもそもあり得ませんが)。

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さて行き方ですが、車であればストラスブールから約60㎞、1時間前後といったところです。

公共交通機関を利用したアクセスは、最寄り駅となるSélestat(セレスタ)の町まで電車で行き、そこからはバスかタクシーとなります。バスの乗り継ぎはGoogleによると夕方に集中しており、通勤時間帯だけの運行かと思われます。そのため、タクシーを利用するか(約14㎞、20-25分程度)、宿泊とセットで利用するほかは無いようです。

~ Frankenbourg | Romantikhotel & Gourmet-Sternerestaurant, La Vancelle

つまり一般的にはみな、車で来ています(それなりに広い公共駐車場がありますが、周りの山の散策などの人もいるため、毎回車を止めるのに苦労します)。

www.frankenbourg.com

選んだお料理

いつものごとく、まずはアペリティフアルザスのクレマン ダルザス(アルザス産のスパークリングワイン)をいただきながらメニューを眺めて、アヴァン・アミューズをつまみながら、あれこれ考えます。

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テーブルフラワーもそうですが、切株や松ぼっくりを利用した秋らしいあしらいが素敵でした。訪れたのはあと数日で8月が終わるという頃で、ちょっと季節の先取感はありましたが、既に夏っぽさがなくなりつつあったので、あまり違和感はなかったです。

アヴァン・アミューズ

松ぼっくりにささっている緑とオレンジの葉っぱは、野菜を練りこんだチップスです。そして小さな丸いクリスピーパフをまとったブロッコリーにドライドトマトのような凝縮感のトマトのタルトレットという3品でした。

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アミューズ・ブーシュ

卵の殻のような器に入っているのは卵の黄身をベースにしたお料理(詳細が思い出せない、、、)、手前はフムスのカナッペ。

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そうこうしながら決めたお料理は、少しおとなしめのコースです。

これなら前菜1皿、メイン2皿、デザート1皿の構成で、お腹がはち切れそうになって苦しむことはないでしょう。飲み物はいつもと一緒で、ミネラルウォーター1本とお料理に合わせたグラスワインセット(スターターからメインまでの3杯分)です。

選んだのはMenu Tentations Saisonnière(旬の素材の誘惑コース?)

まずは、スターター

一見、日本料理のようですが、マグロの地中海風マリネ バジル粉かけきゅうり添え ヨーグルトサワークリーム入りスパイシートマトガスパチョソースです。

マグロはユッケのような細切りになっていました。キメが細かくて、トロッとした食感にほのかな甘さとすっきりした爽やかさがありました。クリーミーだけれど爽やかなソースと薄切りバジル風味の塩もみ風キュウリの微妙な歯ざわりと青い香りが良い感じにマッチしていました。

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合間に自家製パンをつまみながら食事が進みます。ここもパンとバターがとても美味しく、お料理とお料理の間にパンを食べる手が止まらなくなります(これで何度も痛い目に合っています)。

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メインのお魚料理

アカウオ(?)のロティ マルマンドトマトとマンステールチーズのラビオリ添え

お魚は淡泊だけれど味があり、身がふっくら。皮目の香ばしさが良いアクセントになっていました。ちょっとくせのあるマンステールチーズラビオリと甘いトマトとの組み合わせが面白かったです。

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メインのお肉料理

リム―ザン産亜麻仁子豚のロースのロースト ビールとハチミツで煮たニンジンのグラッセパッションフルーツのピュレ添え

しっとりジューシーなロースト子豚。噛むと、肉汁がじわっと出てきました。ビールとハチミツで煮たニンジンのグラッセパッションフルーツそしてキャラメル酢で、軽いけれども多層的でこくのあるフルーティーな酸味&甘じょっぱさが美味しかったです。

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メインの後、控えめコースを選んだせいか、お腹に少し余裕があったので、2人で一皿のチーズをエクストラでお願いしました。ワゴンに乗っている中からどれでも好きなものを5種類選べます。

当初は頼むつもりはなかったのですが、チーズワゴンの定位置が我々のテーブルの横にあり、とても美味しそうで食べたくなっちゃいました。でも、とてもじゃないですが1人で一皿は食べられなかったので、一皿を2人でシェアしました。

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アヴァン デセール

ブルーベリーソースにブルーベリーシャーベット

甘みはあまり強くなくブルーベリーの香りが爽やかな一品でした。アヴァン デセールなので、クッキーは別になくても良いような気がしましたが、もちろんしっかり頂きました。

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デザート

ヴァシュランチーズと白桃のアイスクリームケーキ

桃の甘い香り、ミルキーなクリームとさっぱりしたアイス、香ばしいクッキーの組み合わせ。存在感はありながらも、お魚、お肉、パンにチーズなどなど、しこたま食べた後のお腹にもすっきりと収まる、ほどよい甘さの爽やかなデザートでした。

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ミニャルティー

焼き菓子3種。

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締めにコーヒーとチョコレート

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ということで、至福のひと時が終了しました。今回もお腹も心も大満足!ごちそうさまでした。

最後に

コロナの影響で2019年以来の訪問となってしまいましたが、サービスのメンバーの顔触れを始め、コロナのマイナス影響が感じられなかったことが嬉しかったです。

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初めての訪問時は田舎のレストランを想像していましたが、モダンカントリーという感じの明るく広々とした気持ちの良いレストランで、お料理がおいしいのはもちろん、サービススタッフの動きがシステマティックでチームワークも良く、それぞれのテーブルの様子がよく把握されていることに驚きました。

効率的な動きながらも丁寧でフレンドリーな接客で、リラックスしてお食事を楽しむことができます。

正直言って、年に一度の訪問ではとても足りないレストランです。

アルザスの新たなレストランを開拓したいなあとも思うのですが、ついついこちらと、以前に紹介したLa Nouvelle Aubergeに足が向いてしまうんですよね。

kibidango.hatenablog.jp