さて今回紹介していくウイスキーは再びアイラ島で作られるシングルモルトスコッチウイスキーです。
アメリカンウイスキー樽とフランスワイン樽での熟成により作られたアイラ島らしい逞しいピートの香り漂う『ポート・シャーロット10年(Port Charlotte 10)』です。
ブルイックラディック蒸留所のラインナップの看板商品の1つ、ポート・シャーロット、今回はどんな世界を見せてくれるでしょうか?
Bruichladdich蒸留所の紹介
ブルイックラディック蒸溜所は、1881年、ロバート、ウィリアム、ジョン・ゴーリーのハーヴェイ兄弟によって、インダール湖に近いアイラ島に設立されました。
『Bruichladdich』はゲール語(BruichláddichまたはBruikladdie)で、「浜辺の入り江」を意味するそうです。
ハーヴェイ家は1936年にウィリアムが亡くなるまで蒸留所を経営していましたが、その後、ブルイックラディックは頻繁に所有者が変わり、2000年に独立系ボトラーのマレー・マクダビッドが蒸留所を購入するまで断続的に閉鎖されていましたた。彼らは、古いビクトリア朝様式の蒸留所を修復し、再び生産を開始しました。2012年7月には、現在の所有者であるレミー・コアントロー(Remy Cointreau) に買収されました。
また同蒸留所では蒸留所内や貯蔵倉庫の見学などが行えるツアーを行っています。さらにギフトショップでのお買い物などができます。
Port Charlotte 10 について
今回紹介するポート・シャーロット10年(Port Charlotte 10)は、現在のブルイックラディックの看板商品であるBruichladdich、Oktomoreと並ぶ3本柱の1つPort Charlotteのスタンダードラインとなる看板商品です。
このポートシャーロット10年は、アイラ島だけで構想、蒸留、熟成、瓶詰めのすべてが行われています(蒸留後に本土で熟成、瓶詰めを行ってもアイラウイスキーと名乗れることに異を唱えている)。
また原料の大麦はインバネス地方のものを100%使用しています。
それでは公式サイトの評価を見ていきましょう。
レミーコアントロージャパン | RÉMY COINTREAU JAPAN
アルコール度数 |
50% |
フェノール値 | 40 ppm |
着色 | カラメル色素による着色なし |
色合い | プリムローズからシトリン(黄水晶) |
香り | 清々しい潮風が、スモーキーさを穏やかにしている。オークとスモーク、そしてスピリッツ本来の個性は、10年の熟成を経たことでバランスが取れ、調和が生まれている。ポートシャーロット特有のドライで土っぽく、ピートの灰を思わせるスモーキーなアロマだが、そこにキャラメルソースやファッジ、ヴァニラカスタード、かすかなショウガ、ナツメグ、クローブなどの波がオークとともに押し寄せて前面に出る。グラスに注いで水を1滴加えると、優しいレモンメレンゲやオレンジなどのシトラス香が解き放たれる。深く息を吸い込めば、野生のタイムやヒース、ハマカンザシの花のようなフローラルなアロマがあなたを大西洋の海岸への連れて行くだろう。 |
味わい | 舌に乗せてみると、テクスチャーとその存在感の中に繊細さと柔らかさを感じるだろう。香りと同様にフレーバーも素晴らしいバランスで、オークから深く引き出された甘さをスモーキーさが穏やかに包み込んでいるそしてココナッツ、ヴァニラカスタード、レモンの花の蜂蜜とともに、牡蠣の燻製と日に灼けた砂浜が現れる。 |
余韻 | フィニッシュは荘厳に訪れる。もちろんスモーキーだが、ファッジやモルティングした大麦、オレンジ、マンゴーの柔らかな甘さと、バナナ・トフィーパイを思わせる質の高いオーク樽由来の深みもある。一口ごとにいくつも重なり合っている層が次々に顔を出す。熟したリンゴやアプリコット、モルトやオークの甘さが、煙の如く現れては消えていく。これこそが典型的なポートシャーロットのドライなスモーキーさなのだ。 |
我々の感想
続いて私たちが味わった感想です。
オイリーさはあるもののやや薄い黄金色で白ワインに似た色合いに見えます。ただし香りはグラスに鼻を近づけなくても漂ってくる強めのスモーキーなイメージ、ただしほのかな甘みを感じるような香りが含まれている。この辺は2nd Fillで使用されるワイン樽の影響なのかもしれません。
度数は50%なので、さすがにストレートだとアルコール感が強く、少々きつい。加水し馴染ませていくことでゆっくりと香りと味を楽しめるかと思います。またフルーティーな味わいも加水した方がわかりやすいかと思います。
色あい:
きれいな明るい黄金色、まるで上質の白ワインのような色合い。
香り:
スモーキーな中にほのかな甘みを伴う香り。シトラスなどかな? またはワイン樽が与えたワインの香り?
味わい:
加水することで繊細でやわらかな質感に変化。スモーキーさを伴う甘い香りとオークの香り。飲み干す際にのどの奥にレモンなどのかすかな味わいをしっかり感じられる。
余韻:
長く尾を引き、一貫してスモーキーでほんのり甘いワインの香り。
まとめ
Heavily Peatedと名乗るだけあり、ファーストインパクトは強めのピートの効いたスモーキーさ。でも奥にある甘い香りが感じられる。それだけにただスモーキーさを突き詰めたウイスキーではなく、ワイン樽を使用することでバランスがとられていることがわかります。
アイラ島での一貫した生産にこだわりぬいている醸造所としてこれからも個性のあるウイスキーの生産を続けてほしい。そしてここも一度は訪れてみたい。