今回は、フランス料理界の重鎮でもあるアラン・デュカス氏監修の南仏、ムスティエ・サント・マリー(Moustiers-Sainte-Marie)のミシュラン一つ星レストラン、La Bastide de Moustiers の紹介です。
こちらは、アラン・デュカス氏所有の元別荘を改装したホテル兼レストランですので、宿泊して食事を楽しむことができればベストかなと思いますが、もちろん食事だけでも十分楽しめます。
今回はプロヴァンスでの夏のヴァカンスに合わせてランチの予約を入れ、7月の末に宿泊先から2時間半ぐらいかけてこちらのレストランを訪れました。
こちらでは、敷地内で栽培している野菜やハーブなどの食材をお料理に使っているとの事、また、その著書を読んで興味を持っていたものの、これまで一度も訪れたことがなかったアラン・デュカス氏監修のレストランということで、かなり楽しみにしていました。
いざレストランへ
レストランは、ムスティエ村へ向かう登り道の手前でやや下の方へ向かいます。
そこからは車一台がやっと通れる道をしばし進むと、ホテル兼レストランである La Bastide de Moustiers の入り口(門)が現れます。
そこからはオリーブの並木道を進み、奥の駐車場へ。
なんと、敷地内にはヘリポートも完備されていました!
さて、車を止め、レストランの建物へ向かいます。
上の写真の真ん中の石段を上がりレストランへ。
ここからは大きな木々やパラソルで日陰となっているテラス席に案内されました。
最前列ではありませんが、テラスからは夏のプロヴァンスらしい緑豊かな田園風景が楽しめました。
さて、アペリティフに今回はプロヴァンスのしっかり冷えたロゼワインをお願いして今日のメニューに目を通していきます。
食事について
さてメニューのほうは、Webにも載っていたので、そちらを拝借して掲示しておきます。
ランチなのであまりお腹いっぱいになり過ぎるのは避けたいということで、前菜、メイン、デザートの3皿コースにしようかとも思いましたが、チーズも気になるので、結局、前菜、メイン、チーズ、デザートの4皿コースを選びました(一人95ユーロ)。
アヴァン・アミューズ
それぞれ、前菜、メイン、デザートをどれにするか決めなきゃいけないんですが、まずはアヴァン・アミューズに手を伸ばします!
お庭(の畑)で採れた野菜とハーブを使ったミニキャロットとラディッシュのハーブディップ添えと玉ねぎのコンフィを薄いバートフィロに詰めてアンチョビとブラックオリーブをちらしたタルトレット・フールでした。
アペリティフ
先ほども記しましたが、今回はプロヴァンスのロゼワインをアペリティフにしました。泡でもよかったのですが、せっかくのプロヴァンス、せっかくの真夏ということで冷えたロゼワインです!
キリっと冷えたさっぱりした飲み口、ほのかに感じる果実味が良い感じ。ランチ後は町の観光もあるし、また宿まで帰らなければいけないしということで、ボトルではなくグラスワインにしたのですが、種類を変えて数グラス。最後までプロヴァンスのロゼで通しました!
アミューズ
ムスティエ焼きなのでしょうか、すっきりシンプルな中にも可愛いさがあるサービングプレートの上に置かれたのはちょっと和を思わせるような陶器のお椀。
アミューズにしてはずいぶん大ぶりの器だけれど、中に入っているのはズッキーニの細切りなどがちょっとだけ。
ん?と思っているとそこに暖かいスープが注がれました。
お魚のスープですと説明があったのですが、これがまさにお吸い物。鯛の潮汁を彷彿とさせる一品でした。
さてこのお料理、一応、スプーンは添えられていたのですが、小さ目だしくぼみも浅い。
日本人としては、お椀を持ち上げて直接口をつけたいところですが、フランス料理のマナーとして大丈夫?という不安が。
皆さんどう食すのかとさりげなく周りのテーブルの方々をチェックしてみると、皆さんためらうことなくお椀を両手で持ち、直接お椀に口をつけてらっしゃるではありませんか!ということで、我々も安心して日本式を採用した次第です。
アントレ
ここからは2人それぞれ違うお料理を注文しました。
一皿は、小茄子とイチジクのソテー パリパリのグアンチャーレ添え。
小茄子自身の味がしっかりしており、イチジクのこってりした甘味にも負けていない。
もう一皿は、炙りサバときゅうりのアイオリ添えきゅうりのジュースがけ。
紫の花はボリジというハーブの一種で花も食用です。
サバときゅうりという組み合わせ、以前、プロヴァンスの他のレストランでもありましたが、一般的なんでしょうかね。
メイン
こちらもそれぞれ違ったものを頼みました。
一皿は、自家栽培のパセリとジロールのリゾット。
思いのほかパセリの香りが逞しく、ジロールの味にも負けてない。
食べ応えのある一皿でした。
もう一皿は、ホロホロ鳥のロースト小粒ポテトとプチポアロ添え。
見ただけでおなかがいっぱいになりそうなボリュームできましたが、味は抜群。
正直ポテトが重かった!
チーズ
フランス料理では、デザートもかなりボリュームがありますが、チーズだって結構重いです。
でも、目の前に何種類ものチーズが並んでいたら、あれこれ試したくなります!
流石プロヴァンス、ヤギのチーズが充実しています。
一つ目をお願いしてみたら、それほど大きい塊ではなかったので、5種類ほどお願いしました。
レストランによっては、一切れが巨大なこともあるので(小さくって言っても)、今回は、安心して頼めました。
真ん中は地元でとれたラヴェンダーはちみつ。
キチンと食べる順番に並べ変えてくれました!
デザート
これまた、悩ましいのですが、食事の最後はしっかり甘いもので締めたい!
一つはアプリコット3種。
もう一つは白桃のワインコンポートとアイスです。
食後のお茶
最後はコーヒーを飲むのがいつものパターンなのですが、思いのほかデザートが重くなかったので(チョコレート系とかでない)、レストランのお庭で採れたフレッシュミントを使ったミントティーを注文してみました。
きれいなグリーンですっきりした香り、清涼感のある味わいで口の中もお腹もさっぱり。
ポットにたっぷりと作ってもってきてくれたので、外の景色を眺めながら、胃が落ち着くのを待ちながら、ゆっくりお茶をいただきました!
お茶と一緒に自家製マドレーヌがサーブされました。
マドレーヌといってもバターたっぷりのずっしり系ではなく、ふわっとした食感の軽いタイプだったので、デザートのあとでも美味しくいただけました。
いつものことですが、ランチでもたっぷり時間をかけていただくので、トータル3時間ぐらい要しました。(別にウチだけが長居しているわけではありません)。
ムスティエ・サント・マリーまでの道のり
レストランがあるムスティエ・サント・マリー村は、かなりの僻地にありますので、宿泊も兼ねて訪問計画を練るのが最良かと思いました。
最寄りの大きい町はエクサン・プロバンスかと思いますが、そこからでも1時間半以上かかるのではないかと思います。
また、公共交通機関(バス)でのアクセスも限られているので、村の観光も含めて訪問を検討されることをお勧めします。
まとめ
さて、今回は久しぶりにプロヴァンスで星付きレストランへ訪問しましたが、プロヴァンスらしい、しっかりとした味わいと、繊細さもあり楽しめました。
アミューズでもお知らせしたように、少し日本料理を意識したような料理の出し方や調理が最近のフレンチではよく見受けられます。
料理へのこだわりは日仏かなり共通しているところがあり、お互い意識しているのかな?