さて今回紹介していくウイスキーは再びアイラ島で作られる『ラフロイグ』のシングルモルトウイスキーです。
アメリカンバーボン樽で熟成されたウイスキーをさらにクォーターカスクに移し後熟させることで、スモーキーさだけでなく、アメリカンオークの持つココナッツ、バナナ、バニラの風味を与えられた『ラフロイグ・クォーターカスク(Laphroaig Quarter Cask)』が今日の一本です。
ラフロイグ蒸留所が作り出す、伝統へのオマージュの一本、今回はどんな世界を見せてくれるでしょうか?
これまで紹介してきたラフロイグのウイスキー
このブログではこれまでに、ラフロイグのスタンダードであるラフロイグ10年(Laphroaig 10 Years)と今回紹介するクォーターカスクの延長線上にあるラフロイグ・トリプルウッド(Laphroaig Triple Wood)を紹介してきました。
本来、今日の一本は両者の間にあるといってもいいのではないかと考えています。
つまり、アメリカンオーク樽で熟成されたラフロイグ10年、アメリカンオーク樽での熟成の後、同じアメリカンオークのクォーターカスクで後熟したラフロイグ・クォーターカスク、さらにクォーターカスクでの後熟後、オロロソシェリー樽での熟成を行ったラフロイグ・トリプルウッドと繋がっていきます。
無論、製造方法が全く同じということではないのでしょうが、上記の様にとらえることで3本並べて飲んでみる楽しみも湧いてきます!
Laphroaig Quarter Cask について
さて、今回紹介するラフロイグ・クォーターカスク(Laphroaig Quarter Cask)は、現在日本では正規品はすでに終売となっているようです。ただし海外ではまだ一般的にも販売されており、日本へも並行輸入品は入っています。私たちが購入しているドイツでも引き続き購入が可能です。
このシングルモルトウイスキーの特徴は、アメリカンオークのバーボン樽で熟成された原酒をさらにクォーターカスク(1/4サイズのファーストフィルバーボン樽から作られた樽)に詰め替え後熟させることで、ウイスキー自体がオーク樽に触れる機会が増し、より熟成が進むことと、また樽から与えられるココナッツ、バナナ、バニラなどの風味によりスモーキーでありながらほのかな甘みを携えたところにあります。
それでは公式サイトの評価を見ていきましょう。
The Official Global Laphroaig Whisky Site - Laphroaig
アルコール度数 |
48% |
着色 | カラメル色素による着色あり |
色合い | フルスパークリングゴールド |
香り | 暖炉で燃えるピート香、ココナッツやバナナのアロマ。 |
味わい |
深みのある味わい、複雑でスモーキーでありながら、優しい甘さが口当たりをよくしている。 |
余韻 | 余韻は長く留まり、スモークとスパイスで適度にドライな感覚が残る。 |
我々の感想
続いて私たちが味わった感想です。
オイリーでやや暗さのある琥珀色。最初のインパクトはやはりスモーキーさであるがラフロイグにしてはややおとなしいかもしれない。もちろん独特の薬品臭のようなピートの効いたスモーキーさは穏やかではあるがしっかり残っています。
色あい:
やや暗さのある琥珀色で、落ち着きを感じる色合い。
香り:
ラフロイグらしい独特の強いスモーキーさはあるがややおとなしい感じ。ココナッツやバナナ、バニラなどと表現されているが、バナナは明らかに感じ取れる。
味わい:
48%ということで少し加水する。加水することでよりラフロイグらしい薬品臭が強くなるが、口当たりは繊細でやわらかな質感に変化し、スモーキーな味わいが穏やかに楽しめる。とてもまろやかな感触で味わえ、終わりにかすかにオークの香りが現れる。
余韻:
やわらかい甘味を伴うスモークの味わいがとどまり、一口一口が楽しい。
まとめ
さて今回は少し変化球のラフロイグを紹介してみました。クォーターカスクで後熟するだけでこれほどまろやかに仕上げられるのかと思うほど、ラフロイグでありながら穏やかな仕上がりになっていると思います。
もちろんラフロイグらしさはしっかりとあるので、是非次回は、10年やトリプルウッドなどと比較しながら飲んでみようかと思います。