さて、今回はフランス・アルザス地方のとある村にあるミシュラン掲載の Auberge de la Chèvrerie を訪れました。
ミシュランの星は付いていませんが、その分、値段的にはお得な価格で楽しめそうです。
今回の初訪問の経緯
アルザスでは、以前にも紹介したことのある1星レストランを交互に訪問することが多いのですが、新しいレストランも開拓したく、様々なレストラン情報を見ていました。
8月の後半はまだまだ観光シーズンということもあり、予約が入るレストランもかなり限定されていましたが、幸いにも評価の高い、また食材の一部は自身のファームのものを利用している面白そうなレストランを見つけられました。
参考情報はミシュランのWeb上のレストラン情報です。
Restaurants Michelin Obernai - Le Guide MICHELIN France
メニューの紹介
さて、予約の12時半より少し早く着きましたが、席に案内されアペリティフをお願いします。
アルザスのレストランでの我々の定番クレマン ダルザス(アルザス産のスパークリング)。
今日はロゼでスタートです。
ここからメニューとの格闘がはじまりますが、事前に他のテーブルでドイツ語で会話をしているのを小耳に挟んでいたので、さっそくドイツ語に切り替えてマダムにメニューの相談をしました。
ランチなので、品数が多いメニューは避けて、MENU EN 3 ACTES(アラカルトメニューからスターター、メイン、デザートの3皿を一つづつ選ぶコース)にしました。
スターター、メイン、デザートとそれぞれ3-4種類はあり、その中から好みのものを選択します。
そして、飲み物はスターターとメインのお料理に合うおススメグラスワインとお水を頼みました。
我々が選んだコース以外にも、5皿コースや7皿コース、曜日限定のランチコースとして、少し値段控えめなメニュードマルシェ(内容の選択はメインを魚にするか肉にするかのみで内容はお任せの3皿コース)がありました。
アヴァン・アミューズ
とりあえずアペリティフを飲みながら、本日のアヴァン・アミューズに手を伸ばします。
ケークサレ(野菜系のケーキ、甘くない。少しぱさぱさ感があった)
アミューズ・ブーシェ
本日のアミューズは玉ねぎのポタージュ(玉ねぎの甘味が凝縮されていた)
スターター
1人目のコンビネーションは、イタリア・ピエモンテの郷土料理として有名なヴィッテロ・トンナート(仔牛肉のスライスにツナマヨソース)を自家製のヤギのチーズなどでオリジナライズした一品にアルザスのピノ・ノアールのロゼワイン。
2人目のコンビネーションは、パーフェクトエッグと名付けられた卵料理。
魚の出汁と山羊のチーズで作ったソースに鳥の巣に見立てたサクサク食感の細麺(?)と温泉たまごという一品にアルザスのリースリング(白ワイン)。
これは、たまご料理に軍配が上がったような気がします。
決して、ヴィッテロ・トナートが劣るわけではないのですが、すべての材料が混然一体となったうまさに脱帽しました!(裏のファームにニワトリもいたので、たまごもそこのものだと思います)。
一皿目から、クリエイティブな味わいで楽しめました。
メイン
さて、1人目のメインは、これまた自身のファームの仔牛のフィレでした。
付け合わせには、ズッキーニと煮野菜。
肉は柔らかく、しかし噛み応えもありジューシーでした。
ワインはラングドックの赤。カベルネ・ソービニヨンの個性が強くやや硬い感じ(その他にメルロー、グルナッシュ、シラーが含まれている)。
2人目はラムの鞍下肉のファルシー(豚肉の詰め物が入っている)、付け合わせはナスと炒めた蕎麦の実(?)。
詰め物にレモンコンフィが入っていて、とても良いアクセントになっていました。
ラムということでやや軽く考えていましたが、見た目以上に、かなりボリュームがあり食べがいのある一品。
ワインはコートドローヌ。我が家のハウスワインの産地の1つで、安定したグルナッシュの飲みなれた味わいでラムによく合いました。
デザート
最初はチーズを挟むことも考えていましたが、メインの肉料理が思いのほかしっかりしていたので、チーズは頼まず、そのままデザートへ。
1人目はフォンダンショコラとヤギミルクのアイス、2人目がチョコレートに包まれたイチジクとブルーベリーやカシスのシャーベット。
どちらもフランスらしく、しっかりと味わい深い(つまり濃い)味わいでした。
最後は、それぞれコーヒーとハーブティーで締めて終了です。
レストランへの道のり
レストランは、ストラスブールやコルマールといったアルザスの大きな町ではなく、宿泊していたオベルネ(Obernai)から車で、15分程度の Griesheim-prés-Molsheim という観光目的であれば立ち寄ることもない小さい町の外れにありました。
廻りは農場と牧場といった感じで、レストラン自体もこじんまりしており、外見からでは気づかないほどひっそりとした佇まいです。
レストランの隣には牧場もあり、ニワトリ、ブタ、ウサギ、山羊(搾乳施設もある)、ウシ、馬などがいました。
また、ヤギのチーズの直販も行っており、レストランで食べた後に散歩がてら立ち寄っている人も多くいました。
Auberge de la Chèvrerie – Restaurant Gastronomique Alsace
感想
決して席数も多くない家族経営のレストランですが、素材のクオリティーは高く、食材の取り合わせも面白く期待以上に楽しめました。
また、食材の多くが自身の農場や牧場のものを使用している点も興味を惹かれました。
2種類あったパンも自家製で美味しかったです。そういえば、パンも販売しているようでした。
結構な数のお料理に山羊のチーズが使われているのですが、山羊のチーズが突出することなく、隠し味というか旨味になっているのに感動しました。
今回は宿に冷蔵庫がなかったので、チーズの購入はあきらめたのですが、次は是非、自家製のチーズを単体でも食べてみたいです。
欲を言えば、アミューズにもう少し工夫があればさらに良いのに思いました。
ランチにも拘わらず、今回も3時間以上の滞在となりました。
ゆっくり時間を掛けて食事を楽しみ、そのあとは農場などを散歩してから帰れるので、食後の腹ごなしにもちょうどいいです。
また行ってみたいお店でした。
おすすめです!