さて今回飲むウイスキーはアイラ島で作られるシングルモルトスコッチウイスキー、シェリー樽とバーボン樽のバッティングから作られたしっかりとしたピートの香り漂う『キルホーマン・サナイグ(Kilchoman Sanaig)』です。
キルホーマンの代名詞マキアベイと並ぶ看板商品、今回はどんな世界を見せてくれるでしょうか?
Kilchoman蒸留所の紹介
キルホーマン蒸溜所は、スコットランド南西部に位置するアイラ島の西岸、島内でも最も西に位置しています。少し足を延ばせば大西洋側の浜辺マキアベイ(主力ウイスキーの名前にもなっている)があります。
2005年に新設されたとき、アイラ島にとってはなんと124年ぶりの新しい蒸留所の誕生だったそうです。この蒸留所は、完全に独立した蒸留所、ベンチャー企業になるという具体的な野望を持って設立されました。
この場所を選んだのは、蒸溜所のマネージング・ディレクターであるアンソニー・ウィルズ氏。ウィルス氏は、独立したボトラーズのオーナーでしたが、ウイスキーの蒸留に興味を持ち親しみ、そしてその情熱を知ったそうです。蒸溜所を開設して以来、主にウイスキーの高品質さと、独立した蒸溜所の運営姿勢について、多くの好意的な評価を受けてきました。
2019年には、蒸留所の拡張工事が行われ、その一環として新しいスティルハウスが建設されました。スティルの数は2機から4機へと倍増。また、マッシュタンクを1つ追加し、ウォッシュバックを6つ追加しました。その結果、生産量は年間14万リットルから48万リットルに増加しました。キルホーマン蒸留所は、今もスコットランドの小規模蒸留所のひとつとして輝き続けています。
Kilchoman Distillery | Scottish Single Malt Whisky
さらにこのような辺境に位置する小規模蒸留所ですが、ビジターセンターがあり、ウイスキー蒸留の工程の説明展示、蒸留所の見学、ギフトショップでのお買い物などができます。
Kilchoman Sanaigについて
今回紹介するキルホーマン・サナイグ(Kilchoman Sanaig)は、看板商品であるマキアベイ(Machir Bay)と双璧をなす看板商品です。
アイラ島西岸の入り江にちなんで名づけられたこのウイスキーはバーボン樽とシェリー樽のバッティングにより作られていますが、オロロッソシェリー樽の比率が高く、キルホーマンらしい柑橘系の甘みとピートの特徴、さらにドライフルーツとスパイスのバランスが感じられます。
それでは公式サイトの評価を見ていきましょう。
アルコール度数 | 46% |
着色 | カラメル色素による着色なし |
色合い | やや赤みを浴びた輝くような、そして夕日のような色合い |
香り | 香ばしいヒース、レーズン、洋ナシ、オレンジピールに加え、ドライフルーツ、ミックススパイス、豊かなピートスモークの波。 |
味わい | 熟したプラム、レッドチェリー、ほのかなシトラスの香りに、豊かなバーベキューのピートスモーク、タフィー、オーク、ダークチョコレートの香りが加わる |
余韻 | 口いっぱいに広がるミックスフルーツ、キャラメル、シナモン、クローブに、ブラウンシュガー、スパイス、ピートスモーク、そして持続する甘さが重なっていく |
我々の感想
続いて私たちが味わった感想です。
これもまさにアイラ島と言えるピートのイメージとシェリー樽の個性がはっきりと表に出ている一本。力強くエレガント。
ただストレートだとアルコール感が強いので、少し加水することでゆっくりと香りと味を楽しめるかと思います。またフルーティーな味わいも加水した方がわかりやすいかと思います。
色あい:
オロロッソシェリー樽の影響か、着色は無いにも関わらず、とても深い琥珀色、とてもオイリー、そしてブランデーのように深い色。
香り:
アイラ島らしく磯の香りとスモーキーさが最初に来る。スパイシーでやや柑橘系の香り干しブドウやスパイのまじりあったような感じ。最後に再び潮の香り。
味わい:
干しブドウやプラム、さらにスモーキーさを伴う味。シトラスなどの香りもあるか?しっかりとインパクトのあるピート感がアイラ島のウイスキーらしさを引き出す。
余韻:
フルーツの香りとやはりスパイシーさが後を引く。
まとめ
久しぶりのウイスキーブログの更新となりました。
この間、実はあまり飲んでおらず、香りの判別がやや難しく感じました。
それでも押し寄せるピート感やかすかに留まる潮の香り、オロロッソシェリー樽がしっかりと色合いや香りづけに影響を残す力強さを感じます。
小規模醸造所としてこれからも個性のあるウイスキーの生産を続けてほしい。そして一度は訪れてみたい醸造所です。