度重ねロックダウンの延長を余儀なくされてきたドイツですが、再び2月14日までの延長が2021年1月19日の夜、メルケル首相と連邦政府および州政府の代表によるビデオ会議において決定され発表されました。
これまでの経緯
前回おしらせしたロックダウン延長の記事では、2021年1月10日までの延長についてお知らせしてきましたが、実際にはクリスマスなどで一時的に同居していない家族や親せき、知人との接触を緩めていたツケが新年に感染者増という形で表面化し、10日を待たずに1月末までのロックダウン延長が決まっていました。
つまり、2020年11月初めに導入された部分的ロックダウン(一般商店の営業は認められていた)、12月16日からは一般商店も含めたロックダウンへ移行、さらに2021年に入り2度のロックダウン延長となっています。
現在のドイツでの感染状況
ロバート・コッホ研究所による1月19日午前の発表によると、新規感染者数は1万1千人強まで下がり過去7日間の感染者数も10万9千人とやや減少傾向にあるようです。
しかし、国が目指す7日間の感染者数を10万人当たり50人以下に抑えるという目標にはほど遠く(現在:132人)、これまでのロックダウンの継続+強化策を打ち出すこととなりました。
ロックダウン延長について
今回の決定ではこれまで継続して行われていたルールに則り2月14日までの延長となりました。
さらに強化策として、現在営業が認められている生活必需品を扱う商店内や公共交通機関での医療用マスクまたはFFP2基準のマスク(N95もOK)の着用義務の具体化、学校の閉鎖(幼稚園は状況に応じて対応)、さらに老人ホームや教会でのルールに関して、そして自宅勤務の強化がさらに強く打ち出されております。これは、会社での感染を防ぐだけでなく、通勤によるリスクを引き下げることも含んでいるようです。
マスクの基準引き上げに関してはすでにバイエルン州などが対応しており、今回は、さらに連邦レベル(ドイツ全土)に引き上げられたようです。
詳しくは下記リンクをご参照ください。
ワクチンの接種情報
昨年12月27日より開始されたワクチン接種ですが、政府による情報では、1月18日時点ですでに1,195,543人(人口の1.4 %)が接種を済ませているようです(さらに24,741人が2度目の接種を終了)。
また、各優先接種グループごとに接種率を見ると:
47.9% 医療関係従事者
34.3% 介護施設入居者
25.0% 老人
3.1% 基礎疾患のある方
また使用されているワクチンはファイザー/ビオンテック社製がメインです。今月6日にはEMA(欧州医薬品庁)がモデルナ社のワクチンを承認しました。さらに月末を目途にアストラゼネカ社のワクチンも承認を目指しているようです。
現在、ファイザー/ビオンテック社のワクチンの供給が計画より遅れているようですが、第一四半期内での供給分量は維持されるようです。
まとめ
少しずつですが、ロックダウンの効果が表れてきているようです。この状態でさらに強化策を打ち出したドイツは、2月をめどに大幅な感染者数ダウンを目指しているのでしょう。
同時にワクチン接種が遅れながらも少しづつ行われているということで、春に向けてやや明るい材料が出てきました。
もちろん変異種への恐れはあり、入国規制などを含めさらに注意が必要です。
プライベートの旅行、特に国境を越えての旅行はまだまだ先が見えません。