さて今回飲むウイスキーはスコットランド北西部のスカイ島で作られるスコッチウイスキー、海を感じるシングルモルトウイスキー『タリスカー10年(Talisker 10 years)』です。
タリスカー蒸留所の看板商品であるシングルモルト10年。さて、今回はどんな世界を見せてくれるでしょうか?
TALISKER蒸留所の紹介
タリスカー蒸溜所は、スコットランド北西部に位置するスカイ島の、大西洋に向かって伸びる2つの丘に挟まれたところにあります。
スカイ島の『Skye』は古代ノース語(バイキングの言葉)で「翼の形をした島」にちなんでいるといわれているそうです。またタリスカー『Talisker』も同様に「傾いた大岩」を意味する「Thalas Gair」が由来だそうです。
蒸留所のスローガンは "made by the sea "であり、文字通りこの蒸留所のイメージを表しています。また場所的に天候が非常に変わりやすく、別名「霧の島」と呼ばれるほど濃霧に覆われる日が多いのもスカイ島の特徴のひとつです。
このような地理的な条件から豊富な雨水と泥炭(ピート)がタリスカーらしいウイスキーのベースになっているのでしょうね。
スカイ島の蒸留所は、かつては正規、非正規含めて6-7つあったようですが、現在はタリスカー蒸留所と2017年にできたトラベイグ蒸留所の2つとなっています。
タリスカー蒸留所の歴史をみてみると、設立が1830年で翌31年には蒸留所も完成し操業を始めたようです。その後は、他の蒸留所の例にもれず、紆余曲折のすえ、現在は、Diageo社所有となっています。
そしてシングルモルトだけでなく、ジョニーウォーカーのキーモルトとしても有名です。
またタリスカー蒸留所は、他のハイランドやアイランズの銘柄とは異なり、そのほとんどを自社でボトリングしてリリースしています。
さらにこのような辺境に位置する蒸留所であるにも関わらず1988年にはすでに訪問者向けの施設を整えており、観光にも力を入れています。
Talisker 10 yearsについて
今回紹介するTalisker 10年は、タリスカー蒸留所のスタンダードウイスキーであると同時にスカイ島を代表するスタンダードシングルモルトと言えます。
個性的な海の香りやピーティーなモルトの香りを楽しみながら味わいたい一本です。
それでは公式サイトの評価を見ていきましょう。
アルコール度数 | 45.8% |
着色 | カラメル色素による着色あり |
色合い | 輝くようなゴールド |
香り | ほのかな海水の塩、生ガキそして柑橘系の甘みを感じさせる、力強いピートのスモーキーな香り |
味わい | 煙るようなスモーキーさと力強いモルトの香味を伴う、豊かなドライフルーツの甘み。温かく、情熱的。のどの奥にペッパーの香りを感じる |
余韻 | 食欲をそそる甘みを伴った、広大な、長く温かいペッパーを伴うフィニッシュ |
我々の感想
続いて私たちが味わった感想です。
この一本を味わっていくと、いつも飲んでいるスぺイサイドやハイランド、アイラ島のモルトとは異なるバランスの取れた”海から来たウイスキー”という印象です。
色:
とても明るい華やかなゴールド、グラスに絡みつきオイリー感もある。
香り:
磯や潮の香りがすぐに飛び込んでくる、続けてスモーキーさも含まれていることに気づく。フルーティとか華やかさより逞しさが前面に出た香り。
味わい:
口に含んだ時の印象は思いのほかワイルドではなく、かすかな柑橘系の酸味やオイリーな柔らかな口触り、かすかなスモーキー感が感じらえる。そして確かにかすかな胡椒を感じるような刺激がある。
余韻:
しっかりとした潮の雰囲気がとどまり、次が欲しくなるような感じ。
まとめ
我々にとって初のタリスカー。これまで興味はあったものの、なんとなく後回しになっていたのですが、ほかのエリアを一通り飲んできたこともあり、今回遂に試してみました。
飲む前は、ピートや潮感が強い荒々しいウイスキーを想像していたのですが、実際飲んでみると、優しい潮の香りが特徴なウイスキーで、まさに”海から来たウイスキー”という表現がピッタリのウイスキーでした。
個人的な印象では、潮の香りやピートの感じは決してアイラ島のようにぐいぐい攻めてこず、むしろ心地良く、すぐに次の杯が欲しくなる困ったウイスキーです!
これまで食事に合わせてウイスキーを飲みたいとは思いませんでしたが、これは確かに牡蠣などに合わせられる一本なのではと感じてしまいます(まだ試していません)。
スカイ島はこれまでタリスカー蒸留所のみでしたが、現在はトラベイグ蒸留所もでき、これからますます楽しみなエリアになりそうです。